修業先の治療院から独立したのが2005年。
それ以来ほそぼそと続けているセラピストとしての仕事。
お車の運転のできない方、
独りで外に出られない方、
家を留守にできない方、
何らかの事情のある方のお宅へ訪問して、
カラダのケア(揉みほぐしマッサージ)をしています。
訪問を希望されるクライアントは、
忙しいのを理由に呼んでくださる場合もありますが、
時間にちょっぴり余裕のある還暦を過ぎた方が多いので、
「まあ、ゆっくりしてって」のお言葉につい甘えてしまい、
実際に仕事をしている時間よりも、
その後一緒にお茶を頂きながら世間話をしている時間のほうが
長くなることもしばしばなのです。
今朝も、もうかれこれ4年半のお付き合いになるお客さまと施術後にティータイム。
「お互い年取ったねえ」
なんて、たわいない会話。
笑顔の多い今日はとっても調子が良さそうで
「私がこちらへ寄せてもらうようになってからも、二度倒れて一度は歩けなくなって、、、
でも今が一番お元気ですもんねえ!」
褒め言葉のつもりでそうお伝えすると、
突然、奥さんはポロポロと涙を流し始めて
焦る、焦る。
えっ!?えっ!?えっ!?
「あなたが初めてウチに来た時、女神さまが現れたのかと思ったのよー」
あふれる涙をティッシュで拭きながら、そう仰ってくれました。
「えー、ホントー。私、槍とか隠し持ってなかったですかあ!?」
照れ隠しに思わずちょうけてしまったけれど、
「あはは、大丈夫よ」と。
皆さん辛かったときをときどき思い出しちゃうんですよね。
そこにはもう戻りたくないですから。
あ、女神は錯覚だったとしても、
とりあえず今でも悪魔にも鬼にも化けてはいないようです。
嬉しいです。
ホントに。
感謝されたくて仕事をしているわけでないし、
感謝の言葉を励みにやる気スイッチを入れるわけでもない。
必要とされることが嬉しい。
ただ私は自分のやりたい事をしている。
それだけで感謝の言葉をいただけるなんて。
それほどに
いい加減でしてはいけない仕事なんだと
お客さまの言葉一つ一つを
いつも深く胸に刻みこんでいます。
まあぶっちゃけ、こんな仕事の仕方では儲かりはしません。
めちゃくちゃ効率悪いですからね〜。
「1人に何時間掛かってんだ、一日に何人できるんだよ」
って、雇われの身のままだったら叱られています。
でも、私はこれが好きなんです。
自分の好きことを好きなやり方で出来ている、
この充実感だけは半端なくデカイ。
最近仕事をしながら、ふと
「この空間、好きだなあ!」とか
「あー、今めちゃくちゃ幸せだあ!」とか、
そんな風に感じて、その瞬間に浸ってしまうことがあるんです。
なんとも呑気なこと言ってますが、
私はこれでいいんです。
さて、好きなことをするために今迄以上に精進します。
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